10を3で割る【私のマシーン日記】
マシーン日記。の日記。
私にとって横山さんのお芝居を生で見るのはほんとに久々。ましてや、このコロナのせいで生の横山さん自体が久々。
正直どんな心持ちでいればいいのか分からずドギマギしたりして。
約一年一ヶ月ぶりのお芝居を肌で感じれて本当に興奮した。
お芝居っていい!生っていい!最高だ!
前情報もなく入ったマシーン日記。
ドロドロ四角関係。
それだけの情報。
入る前に二人で濡れ場の耐性具合を確認(?)したりして。
はっきり言って濡れ場、ドキドキとするものではなくパフォーマンスだった。
あれはパフォーマンス。ダンス。
いや、ドキドキはしたんだけどまた違うドキドキ。この卑猥さをパフォーマンスに落とし込むマシーン日記のこのシーン作った人ほんとにすごい。
大根仁さんかなぁ。なら少し納得出来るというか…映画バクマンのパフォーマンスもとても素敵で大胆なものだったな、と思い出した。
でも、ちゃんとドキドキするところもあってね。しにました。飛び乗る森川葵ちゃんを軽々と抱っこ(?)対位(?)する(?)横山さんがほんとに男で無理でした。
物語としては、あまり一幕は分からないまま進んでしまって、でも二幕を見ると二幕のための一幕!って感じで納得した。
し、やっぱり私は、あの幕が上がる瞬間(幕は初めから上がってたけど)物語が始まるぞ!というようなドキドキワクワク感が大好きで毎度ここは鳥肌が立つ。
今回私が初めてのセンターステージ仕様の舞台で、360度観客の中で、プロジェクションマッピングも駆使していて、ホール全体が工場になっていて、もう本当にすごかった。
私の語彙力では何もすごいしか言えないんだけど。
色んな角度から見るとまた違った顔を見せてくれるのかなと思ったし、なんといっても舞台装置が凄かった。回る舞台。
プレハブ小屋の使い方がものすごく上手だなあ、と思った。
あと音楽。兄が好きなマイケルが流れた後に工場のとんてんかんみたいな音が流れるんだけどそれがマイケルの曲に似ていて繋がりを感じてうわぁとなった。
サカナクションすげぇとなった。
音楽といえば、私はお芝居上で歌ったり踊ったりするものが好きなんだけど、
例えば、ジレッタとか大好物だった。
し、自分の監督した作品でもインド映画のようなもの作ったりしたし、
お芝居上で歌って踊られると本当に鳥肌が止まらない。五感を刺激されるようなパフォーマンスがたまらない。ライブで見る歌って踊っても大好きだけど、お芝居上で突如と始まるお話に馴染んだ音楽、ダンスがものすごく大好きなんだ。
マシーン日記では、マイケルの曲を4人で踊ってたんだけど、そこで役を通して、
「アイドル横山裕」
の姿が見れた気がして涙。
ほんとにビシッと決める横山さんはかっこよかった。
久々にキラキラアイドル!を見た。
本当に本当にかっこよかった。
もう一つ「横山裕」が見れたのは、お芝居が終わったカテコのとき。
劇のときはずっと「ミチオ」として横山さんを見てたからか集中して見てたけど、本当の
「横山裕」が出てきて思わず泣いてしまった。
3時間ぶっ通しでエネルギーのぶつかり合いを繰り広げてた4人は、スッキリとした表情で再び私たちの前に現れてくれた。
それはもう、ミチオ、アキトシ、サチコ、ケイコ、としてじゃなく
もうそこにはミチオの影はなく「横山裕」がいて、久しぶりの再会、同じ場所、同じ時間を共有していたんだな、と涙が止まらなかった。
私なりの、大倉さんの感想や公演後に話をした上での考察。
私はこの物語をただただキチガイな4人のカオスなドタバタ劇だなぁと受け取ったんだけど多数は私と同じようなものなのかなあ、と思った。分かんないけど。少なくとも私はそうだったし、隣の席の人(盗み聞くな)はそうだった。
でも、大倉さんの感想を読んでこういう受け取り方をする人もいるのか、と思った。
圧倒的前者だった私は少しずつ整理しながら思い出しながら記憶を辿って深いところまで入ろうとした。
私は4人のキャラクターみんなキチガイだと思ってたし、実際そうなんだけど、鎖に繋がれている、閉じ込められてるミチオが一番マシで、それは、心の奥底に自分でブレーキをかけているから。一番今の日本人なのかな。他の三人は自分を曝け出してる。それを私やミチオ(量産型日本人)は気が狂ってると受け取っていたけど、私たちの奥底にあるものはその三人のようなものなんじゃないかな、と。
自分の心の奥の発言や行動が表になるのが怖いという理由で、閉まってしまったものたちは、鎖となって繋がってしまっている。出れなくなってる。
ミチオに比べ他の三人はとても自分を解放出来ているように見えた。
私から見ればミチオも狂ってたけど。
そしてタイトルの10を3で割る。
私が何故か一番覚えてるシーン。
先生(ケイコ)がサチコのことを10を3で割るような話し方とか言ってたけれど、そこにも今の日本人の特徴を表していた。
私が気づかなかったところでもたくさんそういう意味を持った何かがあったのかもしれない。
この話は私たちからとても遠くてぶっ飛んでると思ったが、案外身近なものなのかもしれない。
細部まで散らばっている小道具の意味、言葉の意味がパンフを読んだりして分かって、舞台が終わったあとも考えを止めることがなくて、とても意味のある観賞になった。
やっぱり、ただ面白かった!だけでは終わりたくない。私はすぐ忘れちゃうのでここに残してるんだけど、この舞台を見た上で思考をそこで止めるのは勿体無いと思うし、こうやって考えることで作り手の込めた想いを掬い取りたい。出演者の込めた想いを掬い取りたい。
そんな人でいたいです。
色んな人の感想が気になるから是非とも見た人を感想を私に(ネットに)共有してほしい。みんなで感想出し合うほど気付けることってあるからね。
戯曲本も買ったのでまだまだ「マシーン日記」に浸って細かく見ていきたいな。
お芝居っていい!生っていい!最高だ!